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NTTドコモの売上減少: 2024年の決算を解説【今後の見通しは?】

NTTドコモの2020年第4四半期決算とその魅力について解説します

NTTドコモといえば、携帯通信キャリアとして日本国内でシェアナンバーワンの地位を誇り、高配当で知られる銘柄です。同社の事業は「通信事業」と「スマートライフ事業」に分かれており、今回はその詳細と最新の決算内容、魅力と懸念点について詳しく見ていきます。

第4四半期決算の概要

まず、2020年4月28日に発表された第4四半期の決算内容について解説します。結論から言うと、「ヤバくはありません」と言える範囲です。具体的には、営業利益が前年同期比で-40%、純利益が-12.2%と2ケタ減収となりました。一見すると深刻な状況に見えますが、実際には通期で予想を上回っており、これは織り込み済みの結果と言えます。

減収の大きな理由は、端末販売の落ち込みと還元策の拡大です。ドコモは契約者に対してdポイントを多く配布しており、これが営業利益に影響を与えています。中期経営戦略に基づき、dポイントの配布を拡大することで電子マネーのシェア拡大を狙っているのです。

ARPUの動向

次に、1ユーザーあたりの平均月間収入(ARPU)について見ていきましょう。2018年の第4四半期では、1ユーザーあたりの平均通信料・通話料は5,240円でした。しかし、還元拡大によりARPUは徐々に減少しています。ドコモ光のARPUは逆に向上している点も注目すべきです。

契約者数が増加していることも重要です。スマートフォンとタブレットの契約者数は4%増、ドコモ光の契約者数は13%増加しています。このように、ARPUが下がっても契約者数が増えることで、業績が維持される仕組みになっています。

通信事業の現状と今後の方針

通信事業に関しては、キャンペーンを通じてシェアを獲得しつつ、徐々に利益を回収するという方針が続きます。国際ローミングの減少が影響を与えていますが、これはコロナウイルスの影響で渡航が制限されているためです。

今後もさまざまなキャンペーンを通じてシェアを拡大し、ユーザーを引き留める戦略が続くでしょう。ポイント還元を強化することで、ユーザーのライフスタイルにNTTドコモのサービスを浸透させ、キャリア変更の障壁を高める狙いがあります。

スマートライフ事業の展開

ドコモのもう一つの柱であるスマートライフ事業についても触れておきます。この事業は、買い物や旅行の予約、金融サービスなどをドコモのプラットフォームで提供するものです。dポイントを配布する理由の一つは、こうしたサービスの利用を促進するためです。

しかし、この分野では楽天が大きなシェアを持っており、ドコモはその後を追う形です。楽天市場、楽天トラベル、楽天カードなど、楽天は顧客のライフスタイルを囲い込むサービスを展開しています。ドコモは、この間に通信事業でシェアを維持しつつ、スマートライフ事業を拡大していく狙いです。

株価の現状と展望

2020年4月28日の終値は3,295円で、業績予想が非開示のためPERは表示されていませんが、PBRは2.03倍、配当利回りは3.64%です。株価はコロナショックで一時的に下がりましたが、その後は回復し、上昇トレンドを続けています。

しかし、現在の株価は割高と考えられ、積極的に買いに行く場面ではないとの見方もあります。EPS(一株当たりの純利益)と株価の動きを比較すると、2019年の途中から株価が上昇し、EPSを置き去りにしている状態です。これは、5Gへの期待が高まっているためです。

投資対象としての魅力

NTTドコモの投資対象としての魅力を考えると、以下の点が挙げられます。

1. 参入障壁の高さ:設備投資に多額の資金が必要なため、新規参入が難しく、競争が抑えられます。
2. 高い営業利益率:携帯3社の営業利益率は20%弱と非常に高い水準です。
3. ストックビジネス:解約されない限り、毎月継続して収益が発生するため、安定性が高いです。
4. 長期保有の安心感:携帯電話は現代人の必需品であり、長期的に安定した収益が見込めます。

懸念点とリスク

一方で、以下の懸念点もあります。

1. 携帯電話事業の頭打ち:携帯電話の普及率が高く、新規契約者の増加が見込めない。
2. 格安SIMの普及:格安SIMユーザーが増えることで、ドコモの収益に影響が出る。
3. 楽天の参入:第4のキャリアとして楽天が参入し、競争が激化する可能性がある。
4. 法改正の影響:違約金の引き下げとスマホ端末の値引き禁止が収益に影響を与える。

関連する質問と回答

Q1: NTTドコモの第4四半期決算の主なポイントは何ですか?

A1: 営業利益が前年同期比-40%、純利益が-12.2%と2ケタ減収ですが、通期では予想を上回りました。減収の主な理由は端末販売の落ち込みと還元策の拡大です。

Q2: NTTドコモのARPUの動向について教えてください。

A2: 2018年第4四半期のARPUは5,240円でしたが、還元拡大により徐々に減少しています。一方で、ドコモ光のARPUは向上しています。

Q3: スマートライフ事業の展開について詳しく教えてください。

A3: スマートライフ事業は買い物や旅行の予約、金融サービスを提供するもので、dポイントの配布を通じて利用を促進しています。楽天が大きなシェアを持つ分野で、ドコモはその後を追う形です。

Q4: NTTドコモの株価の現状と展望はどうですか?

A4: 株価はコロナショックで一時的に下がりましたが、その後は回復し、上昇トレンドを続けています。ただし、現在の株価は割高と考えられ、積極的に買いに行く場面ではないかもしれません。

Q5: NTTドコモの投資対象としての魅力は何ですか?

A5: 参入障壁の高さ、高い営業利益率、ストックビジネスの安定性、長期保有の安心感が挙げられます。ただし、携帯電話事業の頭打ちや格安SIMの普及、楽天の参入、法改正の影響といった懸念点もあります。