先日、皆さんが最も使用するトレンド系指標についてアンケートを取りました。YouTubeの仕様上、5つの項目しか表示できなかったため、トレンドを見やすい5つの指標を選んで質問しました。そもそも、楽天証券のトレンド系チャートランキングを見たときに、単純移動平均線が入っていなかったのが驚きでした。そこで、実際にどの指標が最も使われているのかを調べてみたのです。その結果がこちらです:
1位:単純移動平均線(63%)
2位:ボリンジャーバンド(26%)
3位:自分で線を引く(派)
4位:一目均衡表
5位:指数平滑移動平均線
これを受けて、今回はそれぞれの指標について軽く解説していきます。詳細な解説は別の動画で行う予定ですが、今回は触り程度に説明します。
結論としては、様々なインジケーターを使って柔軟に対応できるようにすることが大切です。
単純移動平均線(SMA)
まずは単純移動平均線(SMA)です。これが一番使われている指標ですね。移動平均線は、一定期間の株価の平均値を取って線として表示するものです。例えば、5日移動平均線は、4日前から当日の終値を足して5で割った値です。これにより、価格の動向を平滑化して表示できます。
ゴールデンクロスとデッドクロス
ゴールデンクロスは短期線が中期線を下から上に突き抜ける形で、上昇トレンドのサインです。逆にデッドクロスは短期線が中期線を上から下に突き抜ける形で、下降トレンドのサインです。
移動平均線乖離率
これは株価が移動平均線からどれだけ離れているかを示すもので、乖離が大きい場合は逆方向に動く可能性が高まります。
グランビルの法則
この法則では、株価が移動平均線を下から上に突き抜けた時が買い、上から下に突き抜けた時が売りのサインです。
ボリンジャーバンド
次にボリンジャーバンドです。これは移動平均線とその標準偏差を用いてチャートに表示されるもので、価格が一定の範囲内に収まることを示しています。
バンドの使い方
ボリンジャーバンドの中で、株価がマイナス2シグマに達したら買い、プラス2シグマに達したら売りという逆張りの手法が一般的です。
バンドの広がり
バンドが狭くなった後に急に広がる場合、トレンドの転換が近い可能性があります。
移動平均線とのクロス
ボリンジャーバンドの真ん中の移動平均線を株価が上抜けたら買い、下抜けたら売りという使い方もあります。
自分で線を引く
自分で線を引くという方法もあります。これはトレンドラインやチャンネルラインを使って価格の動向を予測する手法です。
トレンドラインとチャンネルライン
トレンドラインは株価の下値を結んだ線で、チャンネルラインはその平行線を引きます。トレンドラインに近づいたら買い、チャンネルラインに近づいたら売りという使い方です。
三角保ち合い
三角形の形にラインを引き、上抜けしたら買い、下抜けしたら売りという使い方もあります。
直近高値と直近安値
直近の高値や安値にラインを引き、それを超えたら買い、下回ったら売りというシンプルな方法もあります。
一目均衡表
一目均衡表は線が多くて複雑に見えるかもしれませんが、慣れれば使いやすい指標です。これは日本人が考案したもので、価格の動向を一目で把握できるように設計されています。
基準線と転換線
基準線は26日間の平均で、転換線は9日間の平均です。これらの線がクロスすることで売買のサインを出します。
雲と先行スパン
雲は過去の価格の売買レンジを示しており、これがサポートやレジスタンスとなります。
三役好転と三役逆転
三役好転は転換線が基準線を上抜け、遅行線が株価を上抜け、株価が雲を上抜けるときに発生する買いシグナルです。逆に三役逆転は売りシグナルです。
指数平滑移動平均線(EMA)
最後に指数平滑移動平均線(EMA)です。これは単純移動平均線(SMA)を改良したもので、直近の価格に重みを置いて計算しています。
EMAとSMAの違い
EMAは直近の価格に重みを置くため、急な価格変動に対して敏感に反応する特徴があります。
メリットとデメリット
EMAはトレンドの早期発見に優れていますが、その反面、ダマシに遭いやすいという欠点があります。
MACDとの関係
EMAを応用した指標としてMACDがあります。MACDはゴールデンクロスとデッドクロスを使った売買シグナルを提供し、特にゼロラインを基準にしたクロスが有効です。
関連する質問と回答
Q: 単純移動平均線(SMA)のメリットとデメリットは何ですか?
A: 単純移動平均線のメリットは、その計算がシンプルで理解しやすい点です。過去の価格データを平滑化することで、価格のトレンドを視覚的に把握しやすくなります。一方、デメリットとしては、急な価格変動に対して鈍感であるため、トレンドの転換点を見逃すことがあります。
Q: ボリンジャーバンドの使用における注意点は何ですか?
A: ボリンジャーバンドは価格の変動範囲を示す有用なツールですが、バンドの外れた場合でも価格がそのまま動き続けることがあります。特に強いトレンドが発生している場合、バンドの外側に価格が維持されることがあるため、短期的な逆張りのシグナルとして使用する際には注意が必要です。
Q: 自分で線を引く方法の利点は?
A: 自分で線を引く方法の最大の利点は、チャートのパターンを自分自身で認識し、具体的なエントリーとエグジットのポイントを設定できることです。トレンドラインやチャンネルライン、三角保ち合いなどは、視覚的に価格の動向を把握するのに役立ちます。この方法は裁量を持って分析することが可能です。
Q: 一目均衡表の雲の役割とは?
A: 一目均衡表の雲は、過去の価格の売買レンジを示しており、サポートやレジスタンスとして機能します。価格が雲の上にある場合、それは上昇トレンドを示し、下にある場合は下降トレンドを示します。また、雲の厚みが増すほど、そのサポートやレジスタンスの強さが増します。
Q: 指数平滑移動平均線(EMA)はどのように使えば良いですか?
A: EMAは直近の価格に重みを置くため、急な価格変動に対して敏感に反応します。この特性を活かして、トレンドの早期発見や短期的なトレードに利用することができます。特に、MACDなどの他のインジケーターと組み合わせることで、より精度の高いトレードシグナルを得ることができます。
このブログを通じて、様々なトレンド系指標を理解し、実際のトレードに活かしていただければと思います。今後も有益な情報を提供していきますので、お楽しみに。