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ソフトバンクの高配当株は買い?【2024年決算を徹底解説】

ソフトバンクの株式投資分析: 業績、財務、そして株価の展望

ソフトバンクは日本の通信業界で重要な存在です。今回は、ソフトバンクの企業概要、業績、財務状態、株価について詳しく解説し、投資の観点からの結論を導きます。

企業の概要

ソフトバンクは、孫正義氏が率いるソフトバンクグループの子会社で、時価総額は約7兆円に達しています。親会社のソフトバンクグループが9兆円の時価総額を持つことからも、ソフトバンクがグループの要となっていることがわかります。事業は大きく分けて以下の4つのセグメントに分類されます。

  • コンシューマー事業(携帯電話事業)
  • 法人事業
  • 流通事業
  • Yahoo事業

携帯電話市場では、ソフトバンクはドコモ、KDDIに続いて3位のシェアを持っていますが、格安SIM市場ではワイモバイルやラインモバイルを通じて急成長しています。ソフトバンクの特徴は他企業の買収を積極的に行う点で、例えばYahooやZOZOの買収、PayPayの設立などが挙げられます。これらの取り組みは、単なる携帯電話事業のシェア拡大を超え、人々の生活を豊かにすることを目指しています。

業績の分析

2023年5月11日に発表された第4クオーターの決算では、ソフトバンクの通期業績は増収増益となりました。具体的には、売上高が前年同期比で29.8%増加、営業利益は216.7%増加、純利益も9.8%増加しました。これは、通信事業が安定しており、不況時にも強いディフェンシブ銘柄であることを示しています。

セグメント別の業績

ソフトバンクの主な事業セグメント別に業績を見ていきます。

コンシューマー事業

このセグメントの売上は、携帯端末の売上が減少したものの、モバイルとブロードバンドの通信料の売上が増加し、全体としては成長しています。スマートフォンの契約数も増加し、解約率は過去最低の水準となっています。

法人事業

法人事業では、法人向けに携帯電話やブロードバンドサービス、クラウドサービスを提供しています。Pepperなどのロボットもこのセグメントに含まれており、需要が高まっている状況です。

流通事業

流通事業は売上が少ないため、詳細な分析は省略します。

Yahoo事業

Yahoo事業はコマースとメディアに分かれています。コマース部門では、ヤフオク、ヤフーショッピング、ZOZOTOWNなどのECサービスと、ヤフープレミアム、クレジットカードの決済サービスが含まれ、すごもり需要の影響で売上が伸びています。一方、メディア部門はインターネット広告関連で、広告費の削減傾向が見られますが、それでも全体の売上は10%増加しています。

収益性と財務状態

ソフトバンクの収益性は非常に高いです。営業利益率は18.78%で、平均の10%を大きく上回っています。通信事業は参入障壁が高く、値下げ競争が少ないため、高い利益率を維持しています。

しかし、財務面では課題があります。自己資本比率が10.2%と非常に低く、これは有利子負債が増加しているためです。資金調達の理由としては、ZOZOの公開買付けやZホールディングスの株式追加取得が挙げられます。流動比率も74%と低く、財務面ではリスクが高い状況です。

配当金と株価の評価

今期の配当金は1円増配の86円で、配当利回りは5.85%と高いです。しかし、配当性向は84%と高く、純利益を圧迫している状況です。大株主であるソフトバンクグループへの上納金としての意味合いが強いため、無理をしている可能性があります。

株価については、5月11日の終値で1,470円、PERは14.4倍、PBRは6.9倍です。日足のチャートではV字回復を見せており、今後大きな暴落は予想されませんが、大きな上昇も期待できないかもしれません。

結論

ソフトバンクは配当狙いで買うならありです。業績は安定しており、通信事業の強みがありますが、財務面のリスクが高いため、長期投資には向いていないかもしれません。他のキャリアと比較すると、NTTドコモの方が安定性が高く、将来的な成長も期待できるため、筆者としてはNTTドコモを選びます。

関連する質問と回答

Q1: ソフトバンクの配当利回りはどの程度ですか?

ソフトバンクの配当利回りは5.85%です。これは非常に高い数値ですが、配当性向が84%と高いため、収益を圧迫している可能性があります。

Q2: ソフトバンクの自己資本比率はどのくらいですか?

ソフトバンクの自己資本比率は10.2%と非常に低いです。これは有利子負債が増加しているためで、財務面ではリスクが高い状況です。

Q3: ソフトバンクの主要な事業セグメントは何ですか?

ソフトバンクの主要な事業セグメントは、コンシューマー事業(携帯電話事業)、法人事業、流通事業、Yahoo事業の4つです。特にコンシューマー事業とYahoo事業が大きな比重を占めています。

Q4: ソフトバンクの今後の成長戦略は何ですか?

ソフトバンクの今後の成長戦略は、PayPayを利用した新規開拓とシェアの拡大です。これにより、楽天経済圏のようなエコシステムを構築することを目指しています。

Q5: ソフトバンクの株式を長期保有するリスクは何ですか?

ソフトバンクの株式を長期保有するリスクは、財務面の不安定さです。自己資本比率が低く、有利子負債が多いため、財務リスクが高いです。そのため、長期投資には向いていないかもしれません。