今回は、来季も高配当が期待できる3つの銘柄をご紹介します。四季報のデータを参考に、今期だけでなく来期の業績予想と一株当たりの配当金を元に、高配当が期待できる銘柄を選びました。投資家の皆さんにとって、信頼できる配当収入は魅力的な要素です。では、早速ランキング形式で3位から1位までの銘柄を発表していきます。
目次第3位:日本製鉄(5401)
日本製鉄は、来季の配当利回りが7.48%と予想されており、四季報のデータによると非常に魅力的な高配当銘柄です。現在の株価は2134円、PERは3.3倍、PBRは0.53倍と、これらの指標からも割安感が感じられます。
日本製鉄は、日本を代表する鉄鋼メーカーであり、コードを主力製品としています。国内首位の生産量を誇り、世界でも5位にランクインする大企業です。高品質な鉄鋼製品を提供しており、自動車業界、特にトヨタとの取引が強みです。最近ではトヨタへの値上げ交渉を成功させたことが好材料となっています。
一方で、自動車業界全体の減産が影響し、直近の業績は厳しい状況です。在庫評価益の減少もあり、業績予想は現役となっています。ただし、来期の配当は一株当たり160円と予想されており、配当成功率は30%弱と低めです。これは、企業の利益に対して配当がどれだけ支払われるかを示す指標であり、低いほど配当の持続可能性が高いとされています。
日本製鉄の週足チャートを見ると、株価は1800円から2350円のレンジで推移しています。高配当銘柄は、下がったとしても配当狙いの買いが入りやすいため、レンジ相場になりがちです。RSIなどのオシレーターを使って低いところで拾うことで、キャピタルゲインを狙うことも可能です。
第2位:西松建設(1820)
西松建設は、来季の配当利回りが7.54%と予想されており、現在の配当利回りも7.51%と高水準です。この会社はゼネコンの純大手であり、土木工事に強みを持っています。さらに、香港やシンガポールで業界トップの実績を誇ります。
かつては有力政治家への違法献金問題で社長が逮捕されるなど、苦境に立たされたこともありましたが、現在は再建を果たし、株主還元を意識した経営を行っています。配当成功率は70%と高めであり、株主に対する還元意欲が感じられます。
現在の業績は、土木工事が順調な一方で建築事業が資材の値上がりにより収益性が悪化しています。しかし、今期の業績は増収増益、そして増配が見込まれています。来期の配当は、四季報によると285円から35円と予想されています。
財務状況を見ると、自己資本比率は33%、有利子負債倍率は1と、やや借金が多い状況です。とはいえ、黒字を維持している限り、減配のリスクは低いと考えられます。業績が悪化した場合には支払利息が多いため、配当が削減される可能性もありますが、現状ではその心配は少ないと言えるでしょう。
西松建設の週足チャートを見ると、株価は4000円前後で推移しています。2021年には自社株TOBを実施し、株価が大きく上昇しました。このTOBは、アクティビストであるシティインデックスイレブンスから株を買い取る形で行われました。このアクティビストは、株主還元を強く求めることで知られており、その影響を排除するための措置でした。
第1位:パイオラックス(5988)
パイオラックスは、来季の配当利回りが8.09%と予想されており、現在の配当利回りも6.8%と非常に高い水準です。現在の株価は1868円、PERは14.5倍、PBRは0.64倍です。
この会社は、自動車向けの精密パネルや工業ファスナーを手掛けており、売上の4割は日産グループ、2割がホンダ向けとなっています。したがって、これらの自動車メーカーの動向に大きく左右されると言えます。下期からは数量回復が見込まれており、中国のロックダウンの影響も軽微と予測されています。
今期の業績は増収増益が見込まれており、過去最高の売上と利益にはまだ届いていませんが、順調に回復しています。過去の配当推移を見ると、2021年3月期の一株当たり配当は35円、2022年は45円、2023年は127円と大幅に増加しています。これは、株価低迷に対する株主還元の強化策であり、2025年3月まで配当成功100%を掲示しています。
財務状況も健全で、自己資本比率は88%、有利子負債はありません。キャッシュフローもプラスであり、現金も十分に保有しています。これにより、財務の健全性が保たれているため、高配当の持続可能性が高いと言えます。
パイオラックスの東のチャートを見ると、5月末に配当成功100%を提示し株価が大きく上昇しました。その後も株価は高い水準で推移し、中間配当の時期に一時的に下落しましたが、再び上昇しています。今買った場合、来年末まで持てば一株当たり217円の配当金が得られると予想されています。
追加の高配当銘柄
今回紹介した3銘柄の他にも、四季報が選ぶ高配当銘柄がいくつかあります。第4位は三ツ星ベルトで7.06%、第5位は有沢製作所で7.04%、第6位は神殿排ニックスで6.99%、第7位は富士鉱山で6.93%となっています。
高配当銘柄は株価が下がりにくい特性がありますが、配当の時期が近づくと株価が大きく変動することがあります。特に配当権利落ちの前日は株価が下がる傾向にあります。また、高配当を維持できるかどうかも株主にとって重要なポイントです。
高配当銘柄の選び方
高配当銘柄を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
1. 配当成功率
配当成功率が低いほど、企業の利益に対して配当が持続可能であることが示されます。日本製鉄のように30%以下の配当成功率であれば、安心して配当を受け取ることができるでしょう。
2. 業績の安定性
業績が安定している企業は、配当を継続的に支払う能力が高いです。西松建設のように、再建を果たし増収増益が見込まれる企業は、配当の持続可能性が高いと考えられます。
3. 財務の健全性
自己資本比率や有利子負債の状況を確認しましょう。パイオラックスのように財務が健全であれば、配当の持続可能性が高いと言えます。
4. 配当履歴
過去の配当推移を確認し、増配傾向にある企業を選びましょう。パイオラックスのように、過去数年間で大幅に増配している企業は、今後も高配当を期待できる可能性が高いです。
5. 業界の動向
業界全体の動向も重要です。日本製鉄のように自動車業界とのつながりが強い企業は、業界全体の動向に影響を受けやすいです。業界の成長が見込まれる場合は、企業の業績も好調である可能性が高いです。
高配当銘柄のリスク
高配当銘柄にはリスクも伴います。以下の点に注意しましょう。
1. 減配リスク
業績が悪化した場合、配当が減少するリスクがあります。西松建設のように支払利息が多い企業は、業績悪化時に配当が削減される可能性が高いです。
2. 株価の変動リスク
配当権利落ちの前日など、配当の時期が近づくと株価が大きく変動することがあります。これにより、一時的に損失が発生する可能性があります。
3. 業界リスク
特定の業界に依存している企業は、その業界の動向に大きく影響されます。日本製鉄やパイオラックスのように、自動車業界に依存している企業は、自動車業界全体の動向に影響を受けやすいです。
4. 経済リスク
経済全体の動向も企業の業績に影響を与えます。景気後退時には、企業の業績が悪化し、配当が減少するリスクが高まります。
関連する質問と回答
1. 高配当銘柄を選ぶ際に最も重要なポイントは何ですか?
高配当銘柄を選ぶ際には、配当成功率、業績の安定性、財務の健全性、配当履歴、業界の動向などを総合的に考慮することが重要です。特に配当成功率が低い企業は、配当の持続可能性が高いとされ、安心して保有することができます。
2. なぜ日本製鉄は高配当にも関わらずPERとPBRが低いのですか?
日本製鉄のPERとPBRが低い理由は、業績の不安定さや自動車業界全体の減産が影響しているためです。業績予想が現役となっていることや在庫評価益の減少などが、投資家の懸念材料となり、株価が割安となっています。
3. 西松建設の配当成功率が高い理由は何ですか?
西松建設の配当成功率が高い理由は、株主還元を意識した経営方針を採用しているためです。過去の違法献金問題から再建を果たし、現在は株主に対するリターンを重視しています。これにより、配当成功率が70%と高く設定されています。
4. パイオラックスの配当成功率100%は持続可能ですか?
パイオラックスの配当成功率100%は、2025年3月までの期間限定で設定されています。財務状況が非常に健全であり、自己資本比率が高く、有利子負債がないため、現時点では持続可能と考えられます。ただし、業績が悪化した場合には見直される可能性もあります。
5. 高配当銘柄に投資する際のリスクは何ですか?
高配当銘柄に投資する際のリスクとして、減配リスク、株価の変動リスク、業界リスク、経済リスクなどが挙げられます。特に業績が悪化した場合や経済全体の動向が悪化した場合には、配当が減少する可能性があるため、注意が必要です。